今泉忠明氏監修「おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典:高橋書店発行」よりの抜粋。今回は その103.バビルサの角のように見えるのは、上あごの牙 です。

イノシシの武器と言えば力強い4本の牙ですが、バビルサの牙はただの飾りです。

かれらの牙はイノシシよりもはるかに長いのに、太さはほぼ同じ。そのため強度が無く、おれやすいので、武器としては役に立ちません。しかも上あごの牙は、口の内側に向かってのび、顔の肉を突き破っているため、とても痛そうです。

なぜこんな意味不明な牙になったのかというと、牙が長いとメスにモテるからだとか。そのため、牙の短いオスは子孫を残せず、不便な長い牙をもつオスばかりになったのでしょう。