「男と女、どちらが高等?」 皆さんも一度は考えた事有りませんか? だからどうだという訳ではないのですが、この世で男と女がいるのは何故?男と女の役割は?等々やはり気になりますよね!

答えになるのかどうか判りませんが、福岡伸一先生著の「できそこないの男たち:光文社新書」を読んで、少なからず驚き、考えさせられました。インパクトに満ちたそれら諸点を列挙します。上手く要約出来ないのと「驚き」が有り過ぎるので、今回と次回に分けてお示しします。興味を持たれた方は是非次回、続きをお楽しみに・・・。

①X染色体は、Y染色体の優に5倍くらいの大きさを持つ。男性のみなもとYは、遺伝子レベルでみると、極めて頼りな            いちっぽけな存在。                                             ②しかし「男」を決めるのはY染色体と言うより、(もっと小さな)その中のSRY遺伝子。SRY遺伝子さえあれば、XX型染色体をもつ受精卵を男性化できる。                                     ③アリマキと言う小さな虫の生活を見ると、生き物の性とは、そして男と女とはどのようなものであるのかも手に取る様にわかる。                                               ④アリマキはすさまじい繁殖力で爆発的に増えるがこの繁殖は基本的にメスだけで成り立っている。メスのアリマキは誰の助けも借りずに子供を産む。子供は全てメスであり、やがて成長し、また誰の助けも借りずに娘を産む。こうしてアリマキはメスだけで世代を紡ぐ。全く無駄の無い高速の繁殖戦略である。                   ⑤ところが、この優れて効率の良い仕組みを変える時が来る。1年に1度だけ。                  ⑥秋も深まったある日、アリマキはこれまでとは違うやり方で子供を作る。あるスイッチを入れてメスを変えてオスを作る。人ではオスへのスイッチはSRY遺伝子だったが、アリマキでは何かはまだ解っていない。解っているのは、気温が下がり夜が長くなると、メスのアリマキの身体の中で特殊なホルモンのバランスが変化すると言う事。      ⑦この作られたオスは、メスのXX型に対しX0(ゼロ)型と言えるもので、情報量も産生されるタンパク質も半分。いわゆる「できそこないのメス」としてオスが生み出される。                           ⑧オスのアリマキの役割はただ一つ。秋の終わりまでに、出来るだけ多くのメスと交尾をする事。          ⑨そして受精卵が作られ(メスだけの繁殖では卵は作られない)、硬い殻に包まれた受精卵は、低温、凍結、乾燥等に耐え、次の春まで生き延びる。やがて春にアリマキ達が孵化し新しい命が開始されるが、この時新しい今年の命は全員がメス。そしてメスだけで命を紡いでいく。

今回はここまでです。ここまでで皆さんはどう思われましたか? なんて事無い、ただの虫の話でしょ!!ですか? いやいやそうでもないのです。是非次回をお楽しみに!!!