今回は、中室牧子氏著「『学力』の経済学」第2章子どもを”ご褒美”で釣ってはいけないのか?・・その6・・「教育にはいつ投資すべきか」・・です。

「子どもの教育に時間や費用を掛けるとしたらいつがいいのか」への解説です。具体的には、小学校、中学校、高校、大学、大学院における人的資本の収益率についての経済学者の推計を紹介しています。

「人は、小学校より中学校、中学校より高校、高校より大学や大学院と、学齢が上がるほど掛けるお金や時間を増やすべきだと思っている」が、これは思い込み。もっとも人的資本投資の収益率が高いのは、子どもが小学校に入学する前の就学前教育(幼児教育)。ノーベル賞経済学者ヘックマン教授らの「人的資本投資の年齢別収益率(概念図)」も示し、人的資本への投資はとにかく子どもが小さいうちに行うべきだと解説しています。ただ以下の大事な注釈をしていますので是非是非留意ください。以下、氏の文章通りです。

人的資本とは、人間が持つ知識や技能の総称ですから、人的資本への投資には、しつけなどの人格形成や、体力や健康などへの支出も含みます。必ずしも勉強に対するものだけではないのです。学力以外の能力はとても重要です。

このように「人的資本への投資は、とにかく子どもが小さいうちに行うべき」なのはわかりましたが、では人的資本の何が大事なのでしょう?学力そのものでしょうか?それとも別のもの?・・・・・・・・・以後次回に続けます。