今回は、中室牧子氏著「「学力」の経済学」、第3章”勉強”は本当にそんなに大切なのか?・・その2・・年収や学歴に大きく影響するのは非認知能力・・です。

「ペリー幼稚園プログラム」で明らかになったのは、非常に手厚い就学前教育によって改善され年収や学歴に大きく影響するのは、「忍耐力がある」「社会性がある」「意欲的である」と言った人間の気質や性格的な特徴の様な非認知能力である、と言う事でした。

気質や性格的な特徴である非認知能力は、本来目に見えないものですが、心理学的な方法を使って数値化することが出来ます。その数値を分析した結果、非認知能力は、認知能力の形成にも一役買っているだけでなく、将来の年収、学歴や就業形態などの労働市場における成果にも大きく影響する事が明らかになってきたのです。

氏は書いています。「ヘックマン教授らは、学力テストでは計測する事が出来ない非認知能力が人生の成功において極めて重要であることを強調しています。また、誠実さ、忍耐強さ、社交性、好奇心の強さ、これらの非認知能力は、人から学び獲得するものであることも・・。・・・・・・どんなに勉強ができても、自己管理ができず、やる気がなくて、真面目さに欠け、コミュニケーション能力が低い人が社会で活躍できるはずはありません。一歩学校の外へ出たら、学力以外の能力が圧倒的に大切だと言う事は多くの人が実感しているところ・・・」と。