今回は、中室牧子氏著「『学力』の経済学」、第3章”勉強”は本当にそんなに大切なのか?・・その7・・非認知能力「勤勉性」と「しつけ」です。

中室氏は著書の中で「しつけ」についても、「しつけを受けた人は年収が高い」と項を起こし興味ある記述をしています。ここでは3つの日本人研究者の成果が紹介されていますので要約して記します。

神戸大学の西村教授らは、4つの基本的なモラル(ウソをついてはいけない、他人に親切にする、ルールを守る、勉強をする)をしつけの一環として親から教わった人は、それらを全く教わらなかった人と比較すると、年収が86万円高いということを明らかにしています。

山形大学の窪田准教授らは、しつけが子どもの勤勉性に因果関係を持つことを明らかにしました。親が幼少期のしつけをきちんと行い、基本的なモラルを身に着けさせるということは、勤勉性という非認知能力を培うための重要なプロセスであり、しつけによって育まれた勤勉性が、平均的な年収の差につながったのだと考えられる。

大阪大学の池田教授の研究では、子どものころに夏休みの宿題を休みの終わりのほうにやった人ほど、喫煙、ギャンブル、飲酒の習慣があり、借金もあって、太っている確率が高いそうです。要するに、宿題を先延ばしにするような自制心のない子どもは、大人になってからもいろいろなことを先延ばしにし、「明日からやろう」と言っては結局禁煙できず、貯蓄もできず、ダイエットもできないというわけです。

夏休みの宿題を先延ばし・・・はドキッとさせられました!!!!!皆さんは大丈夫でしたか?