今回は、中室牧子氏著「「学力」の経済学」第3章”勉強”は本当にそんなに大切なのか?・・その4・・人生の成功のために特に重要な非認知能力とは?・・です。

前回示しましたように、人生を成功に導くうえで重要だと考えられている非認知能力の1つ目は「自制心」です。それでは2つ目はなんでしょう?今日は2つ目についてのお話しです。

もう一つの重要な非認知能力として挙げられるのが「やり抜く力」です。この能力は、ペンシルベニア大学のダックワース准教授が「成功を予測できる性質」として発表して以来注目を集めました。

ダックワース准教授は、このやり抜く力を「非常に遠い先にあるゴールに向けて、興味を失わず、努力し続けることができる気質」と定義しました。この力もまた、調査対象者に12問ほどの質問に答えて貰う事で簡単に数値化できます。

この手法で、「陸軍士官学校の訓練に耐え抜く事が出来る候補生は誰か」「英単語の全国スペリングコンテストで最終ラウンドまで残る子どもは誰か」「貧困地域に配属された新米教師のうち、学年末にもっとも子どもの学力を上げる事ができるのは誰か」について調べました。これら求められる能力は一見バラバラの様にも思えますが、ダックワース准教授は「成功する人」を事前にかなり高い精度で予測する事が出来ました。やり抜く力」が高い人は、いずれの状況でも成功する確率が高かったからです。

さらにダックワース准教授は、才能とやり抜く力の間には相関関係が無いことも明らかにしています。才能があっても「やり抜く力」がないために、成功に至らない人が少なからずいたのです。

才能は大事でしょうが、より以上に「やり抜く力」が大事と言う事ですね!!!