今回は、中室牧子氏著「「学力」の経済学」、第4章”少人数学級”には効果があるのか?・・科学的根拠なき日本の教育政策 その7 少人数学級の因果効果についての日本での研究・・です。

海外ではいわゆる「実験」は可能ですが日本では倫理的な理由から、「実験」は難しい状況にあります。では日本では全く「少人数学級の因果効果」についての科学的研究は行われず、結果は明らかになっていないのでしょうか?
いえ、実際には「自然実験」と呼ばれる手法を使って研究された成果があるとの事です。

多くの自治体や学校では、クラスは40人が上限で、そこに一人転校生が来ると20人と21人の2クラスになります。転校生が来るか来ないかは偶然の産物なのでクラス編成に意図的恣意的要素は含まれません。この2クラスの生徒たちを比較すればいわゆる「実験」をするのと同じ形で少人数学級が子どもたちの学力に与える因果効果を明らかに出来ると言う訳です。まさに「自然実験」です。

では、この「自然実験」によって行われた結果はどんなものだったのでしょうか?
次回、その結果とそれらを踏まえて、「日本で少人数学級を推進すべきかどうかについて」、氏の見解をご紹介します。