今回は、中室牧子氏著「『学力』の経済学」、第2章 子どもを”ご褒美”で釣ってはいけないのか?・・その3「頭がいいのね」と「良く頑張ったわね」-どちらが効果的?です。

このテーマの結論に達する前に、氏は「子どもは誉めて育てるべきか」について論述しています。詳細は省きますが、ここで氏は、フロリダ州立大学のバウマイスター教授らやバージニア連邦大学のフォーサイス教授らが行った実験を紹介し、「学生の自尊心を高めるような介入は、学生たちの成績を決して良くすることはない」「むやみやたらに子どもを誉めると、実力の伴わないナルシストを育てることになりかねません」と結論ずけています。

どうですか?これで今回のテーマ「頭がいいのね」と「良く頑張ったわね」-どちらが効果的?の答えは察しがついたと思いますが・・!!

氏は更に、コロンビア大学のミューラー教授らの実験と論文(タイトル:能力を誉めることは、子どものやる気を蝕む)を紹介し、次の様に結んでいます。

子どもを誉める時には「あなたはやればできるのよ」ではなく、「今日は1時間も勉強出来たんだね」「今月は遅刻や欠席が一度もなかったね」と具体的に子どもが達成した内容を挙げることが重要です。そうすることによって、さらなる努力を引き出し、難しいことでも挑戦しようとする子どもに育つと言うのがこの研究から得られた知見です